第60回雪印メグミルク杯全日本ジャンプ大会

2019年1月5日(土)

雪印メグミルク杯が開催された宮の森ジャンプ競技場(2019年1月5日)

降りしきる雪の中、大観衆が
宮の森ノーマルヒルに観戦に訪れていた。

年始恒例になった雪印メグミルク杯は、
試合のメインスポンサーである
雪印メグミルクが、ジャンプの普及と
日頃から頑張るジャンプ選手の応援のために、
昔から力を注いでいた大会であった。

それはなんと60回目の開催となった。

 

宮の森の場内には展示ブースが設けられ、
観客にはジャンプ観戦ブックと
ミルク製品などのお土産が配られて、
正月気分もさながら
いつも盛況な試合になっていた。

ただ、降雪の悪天候のために開始が遅れ、
しかも1本勝負。

そのまま試合終了が午後3時近くまでになる
長丁場となった。

試合に出場したのは女子チームトップの
高梨沙羅(クラレ)、伊藤有希(土屋ホーム)、
勢藤優花(北海道ハイテクアスリートクラブ) の 3選手に、
大型ジャンパー岩佐明香(日大)の実力者たち。

雪印メグミルク杯高梨沙羅選手(クラレ)(2019年1月5日)

 

もちろん、国内W杯出場とそこから
日本チーム入りを狙っていこうとする
好位置につけているチームCHINTAIは、
昨年12月の名寄シリーズから好調のまま、
この雪印メグミルク杯にフルアタックをみせた。

そこは、スタートで待たされながらも
集中力を維持してビッグジャンプ、
5位に茂野美咲、そして6位に小林諭果と
ふたり並んで上位へ入った。

 

表彰式で笑顔を見せるCHINTAI選手(2019年1月5日)

「この雪の天候であれば
 飛距離の差がつきにくいので、
 粘って表彰台に入ろうと
 ひそかに決めていました。
 でも、もう少しでした。
 1本勝負になって、
 やや不完全燃焼な気分です。
 その分、明日の試合に
 かけていきたいと思います」

スポーツ好きな旦那さんの声援を受けて、
踏ん張りをみせた茂野は実直に振り返った。

この日5位だった茂野美咲(2019年1月5日)

「とくに悪くはないんですが、
 遅れ気味になる踏み切りが気になります。
 あとは良い風が吹いてきてくれると、
 どこまでも、なんです(笑)。
 必ず、国内W杯で代表になって、
 しっかりと札幌と蔵王でポイントを取りたいです」

小林は重要な1月のW杯を視野に置いていた。

悪天候の為1本で試合は終了した(2019年1月5日小林)

 

 

試合はパワーある岩佐が
ダイナミックなジャンプで優勝、
そこに高梨と伊藤が続くという、
じつに見応えあるものになった。

 

降雪で待たされた観衆は、
宮の森ならではの観戦エリアのすぐ近くに
有名女子選手が歩いてくる、
そこでサインまでもらえるとあって、
時間を忘れてにこやかに試合を楽しんでいた。

 

茂野と小林は、高梨や伊藤の女子上位選手に
負けず劣らずの実力を兼ね備えている。

そこでW杯出場という目標と、
大きなジャンプを胸に抱きながら、
ふたりは順調に新春のスタートを切った。

(文・写真 岩瀬孝文)