CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」
スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートをお届けいたします!
是非ご覧ください。
うなりを上げる
内地に比べると爽やかさがあるとはいえ、蒸し暑さがあり紫外線が強まった名寄ピヤシリシャンツェ。
春先から自転車でロードに出て長距離をこなしてきた一戸くる実(CHINTAI)には、足腰のバネがついてきていた。
故郷である青森県野辺地町のアップダウンに満ちた路を、軽やかにときに激しくペダルをこいでいたのだ。そして入念にストレッチして太ももの筋肉を守り、さらにランニングにも気持ちを込めていた。そして屋内でのマシントレーニングも繰り返し行っていた。
これらの練習により、一気に空中スピードが増してきた。サッツ(踏み切り)直後からうなりを上げる印象でスキースピードを伸ばしたのである。
「それでも、先を行く伊藤有希(土屋ホーム)さんの飛距離とはまだ差があります。それを懸命に詰めていかなければと思います」
1本目90mと2本目88mで2位表彰台に立ったものの、優勝した伊藤選手とは2本の飛距離にして9mの差がついていた。
「今日は11番スタート(33選手出場)の前半のゼッケンで、良い風に恵まれた感じがしています。それだけにもっと飛距離が欲しく思います」
そのためには、これから熱気を帯びる試合をはさみ、その合間の夏季トレーニングで何が必要なのかと、真剣な眼差しで進む一戸選手だ。
じっくりと
終盤の30番でスタートした小林諭果(CHINTAI)は、春のトレーニングでは自分のペースで白馬合宿などをこなしていた。その成果によって高い飛び出しとなったが、なぜか空中姿勢が芳しくない。
「どうにも暑さにやられていたようです。一戸コーチから、あまり好ましくないジャンプになっている、もっとしっかりと飛ぼうと言われています。ですので夏場はひとつひとつジャンプを作り直していきたいです」
恵まれた大柄な身体とおおらかに飛び抜けるスタイルが魅力な、欧州スタイルの小林選手だ。いまは、じっくりと自分のジャンプを見直している状況。名寄開幕戦は15位のリザルトとなった。
文・写真/岩瀬孝文
大会結果
■2024年7月28日(日) サンピラー国体記念第21回サマージャンプ大会
2位 一戸くる実
15位 小林諭果