CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」

スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートをお届けいたします!

是非ご覧ください。

向かい風に乗って

今週の前半は晴天だった札幌宮の森ジャンプ競技場だ。

しかし時折、吹き付ける横風で、空中で流されそうになる選手もいた。

雪印カツゲン杯の2本目、ついには強風が吹き付けて中断、そのままキャンセルされて1本勝負に。逆転を狙っていたが、第4位と惜しくも表彰台を逃がした。

「自分の中ではいいジャンプができたと思います、カツゲン杯は。強い風の影響もありますがバラバラな風の影響で当たりはずれがあり、その中で飛距離が伸びていかなかったのかも知れません」

翌日の札幌五輪記念ノーマルヒルで、一気に飛び抜けるジャンプをめざした。

ところが快晴でありながら強風が吹き付けて、リフトが止まり公式練習も飛べずにいた。その風が続いてキャンセル、試合は29日(水)に延期されてしまった。

連戦となっているノーマルヒルは、踏み切りのタイミングと助走路のスピードそして空中姿勢に着地でのテレマーク姿勢と、すべて揃えなければならなく、そこに繊細なテクニックが必要だ。その要素がひとつでも欠けると、好ましい飛距離が生まれずに上位へは進めない状況となる。そんなシリアスなジャンプがノーマルヒルである。

もともと小林選手は、ダイナミックなジャンプが魅力のラージヒルを得意としていて、風に乗って勢いを増してロングジャンプを見せてくれる。この基本を大切に捉えて札幌五輪記念ノーマルヒルに挑んだ。

1本目は小雪が降り80.5mで6位につけた。

その2本目になると今度は風が止んでしまうという悪い条件となって79.5m。順位を落として第7位となった。

「冬シーズンの残り試合が少ない中で、ジャンプをしっかりとまとめられるように、頑張りたいと思います」

次は宮様大会ノーマルヒルとラージヒルの2試合だ。

基本の繰り返しでテクニックを再確認、ていねいに飛び抜けて最終日となる3日(日)、大好きな札幌大倉山ラージヒルで、一気に表彰台を目指していく流れが見えてきた。

文・写真/岩瀬孝文


大会結果

■2024年2月27日(火) 雪印メグミルクカツゲンカップ2024ジャンプ大会

  4位 小林諭果

■2024年2月29日(木) 第52回札幌オリンピック記念スキージャンプ競技大会

  7位 小林諭果