こんにちは!CHINTAIスキークラブ・スタッフです。
今回は、スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏による「第22回札幌市長杯大倉山サマージャンプ大会」のレポートをお届けします!
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『トップとの差を縮めるために』
ここまで好調を維持している茂野美咲がぽつりと言った。
「櫻井(梨子)選手(余市紅志高)との差が離れすぎていますね、それをつめていきたいです。この飛距離の差を何とかしたいですね」
この夏、絶好調で勝利を重ねている新鋭の櫻井選手に追いついていかなければ、との思いがつのる。
夕刻の札幌・大倉山ジャンプ競技場。昼間の暑さはいくらか和らいだといえ、あたりは蒸し暑さに包まれていた。
「いまのわたしに必要なのは、風を受けられる空中のよい姿勢です。アプローチ(助走路)とサッツ(踏み切り)のタイミングはだいぶ良くなってきました。あとは空中で風に乗って進んでいけること。それがうまくできれば、もっと飛距離が出てきます」 現時点での技術的な課題を口にした。
試合の終盤には、国際オリンピック委員会・バッハ会長と東京オリンピック・パラリンピック組織委員会・橋本聖子会長が、大倉山ジャンプ競技場に併設されている「札幌オリンピックミュージアム」を訪れ、原田雅彦さん(長野オリンピック・スキージャンプ団体金メダリスト)や阿部雅司さん(リレハンメルオリンピック・ノルディックコンバインド団体金メダリスト)など7名のオリンピックメダリストが出迎えた。この日の試合は無観客で開催されていたこともあり、会場に独特な雰囲気が漂ったが、その影響をものともせず、どの選手も大倉山の夜空に向かって積極的にジャンプしてみせた。
「今日も2位です。なんとしても、この差をつめたいですよ」
まったくもう、とやりきれない思いも口にしたが、すぐにこやかな表情に切り替え、連続2位の表彰台に立った。
『ベストを尽くし、5位入賞』
わりと静かな面持ちで試合前のルーティンワークに励んでいた小林諭果は、よく見ると青ざめた顔でジャンプ台のスタートへと上がっていった。おでこを冷やしている。様子を伺うと、軽い熱中症のような症状が出ているようだった。
記録的な暑さのせいか、万全とは程遠い状態のようだったが、それでも奮闘し、5位に入賞。翌日の大会へしっかりと気持ちをつなげた。
・大会成績
2位 茂野美咲 1本目104m、2本目117.5m、 合計186.4m
5位 小林諭果 1本目104m、2本目113m、合計177.0m
文・写真/岩瀬孝文
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最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「チャレンジカップ2021大倉山サマージャンプ大会」の模様をお送りする予定です。お楽しみに!