CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」

スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートをお届けいたします!

是非ご覧ください。

課題

謙遜して言う。

「五輪代表選手が出ていない試合ですから」

とはいえ、パワーとスピードに裏付けられる札幌大倉山のラージヒル2連戦だ。

しっかりと上位に入っておきたい。

 土曜日のTVh杯では、1本目に着実に風を掴んで飛距離を伸ばして118mと好記録を打ち出した。

「でも、サッツで力んでしまいました」

続く2本目は下の風がなく108.5mに終わり惜しくも4位、表彰台を逃がして悔しさに包まれた。

翌日の日曜、伝統ある雪印メグミルク杯では1本目119mを飛んで4位につけ、いよいよ表彰台入りを目指したが105mと順位を落として5位。このとき下の風も少なかった。

「まだ力みがありますね。残念です」

この雪印メグミルク杯は、過去に表彰台に乗るなどとゲンの良い大会で、結構、気持ちが入って飛んでいた。

ともあれ、夏場からここまでのトレーニングでアプローチ姿勢の改善と、それによるアプローチスピードの向上をはかり、その上でキレあるサッツ(踏み切り)が可能になってきていた。

もともと得意としている大倉山ラージヒルを大らかに、しかも攻め込みながらジャンプに挑んでいた。

「アプローチはいい感覚で乗れていたTVh杯でしたが、1本目と2本目ともにサッツのタイミングの遅れがあって、もったいないなあという感じでした。」

さらに気持ちを高めてジャンプした翌日の雪印メグミルク杯では、

「スタートから迷いが生じてきて力みが出てしまい、結果的にまたタイミングの遅れになってしまいました。それで、ほとんどノーチャンスだったのです」

どうにもタイミングの遅れが出てきて、これはもうしょうがないなとなったが、その中でもより良いジャンプをしなければと願った。


残りの試合に向けて…

ユカさんの空中姿勢をじっくりと観ていると懐に深さがあり、良い風を受ける状況ができている。

「国内大会ではスタートゲートが上がってスピードが出やすく、そこで向かい風の中で飛ぶと高さも出てきます。これがW杯などで設定される低目なゲートでのスタートになると、空中の姿勢を作ることさえ難しくなります。もし、風の条件がよく揃っていようと、何も変わりなく終わります」

そのように冷静に分析してくれた。

「これからは2月後半の宮様大会などがあり、一本一本を大切にして飛んでいこうと思います。そのため、できるだけのことをやろうと取り組んでいます。そしてしっかりと成績を残して、最後まで、やり通せるように頑張ります」

この1月7日12時には『今季限りで引退します』と発表して、2月と3月の試合を迎えることになった。会場にはユカさん頑張ってとの声援が木魂して、着地後にはフィニッシュエリアでバックボードを背にほっとした表情を見せることもあった。

残る試合は、歴史ある宮様大会(宮の森NHと大倉山LH)がメジャーな試合だ。

そして3月14日の伊藤杯ファイナルに向けて、思い切りがいい、それも小林諭果選手らしいダイナミックなジャンプが観られそうだ。

文・写真/岩瀬孝文

大会結果

■第37回TVh杯ジャンプ大会  118m 108.5m 157.9ポイント 4位
■第67回雪印メグミルク杯ジャンプ大会 119m 105m 155.6ポイント 5位