CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」

スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートをお届けいたします!

是非ご覧ください。

国内最終戦

大倉山には雪がたくさん残っていた。ときおり吹き付ける風は冷たく、まだ冬であるとの印象を強くした。

この日、夕刻になって、アプローチバーンも固くなり万全ながらに試合が始まった。

ところが風がぴたりと止んで、珍しく無風の大倉山となっていた。

鋭いサッツから空中に飛び出した長身の小林諭果(CHINTAI)は、そのままストレートに伸びていった。あとは下からの風があれば一気にといきたかったが100mちょうどで着地。気迫をいれて2本目にかけた。

ただ冬の最終時期にあたり、そこまでの風はこなく、集中したジャンプを見せたものの107mとなった。100m台を2本揃えて第4位に入った。

もともと有する爆発力は、ついに今シーズン最終戦には見られず。あとはフィニッシュエリアで引退選手のジャンプを見つめ、お疲れさまと声をかけて集合写真を撮ったりした。

 「無風の状態でしたが、まあまあのような、でも納得できないジャンプですね。そのなかでも最低限の動きはできたとは思います。ただ、トップと差があるので、国内でこの状態であると……、やはり悔しいです」

言葉少なく静かに応えた小林選手。

130mを記録

雪解けが近くなってきた大倉山ラージヒルシャンツェ。12月からのシーズンはこれで終了。あとは欧州における世界選手権後のW杯ノルウェーシリーズ『RAW AIR』にフィンランドのW杯ラハティスキーゲームスとW杯最終戦男子でスロベニアのプラニツァW杯フライングを残すだけになった。

ノルウェーの港湾都市トロンハイムで28年ぶりに開催された2025ノルディックスキー世界選手権では、日本代表に選出された一戸くる実(CHINTAI)が、アクシデントもあって試合に出ることができなかった。それでチームのサポートに回っていたが、このような大きな世界大会を経験して、それを先に活かしていこうと貪欲さをみせながら、積極的に動いていた。

また女子のフライングで名高いノルウェーのヴィケルスンでは、初めて飛び130mを記録して良い経験を積み重ねた。

それもいずれ、めざすフライングジャンプでオーバー200mの道である。

文・写真/岩瀬孝文


大会結果

■2025年3月15日(土) 第26回伊藤杯シーズンファイナル大倉山ナイタージャンプ大会

  4位 小林諭果 [1本目100m 2本目107m]