CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」

スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートをお届けいたします!

是非ご覧ください。

颯爽と空に飛び出た

冬12月になった。

いつもの名寄らしいクリアな空気とサラサラな雪が程よいピヤシリシャンツェで、気持ちを込めて小林諭果選手は、颯爽と空に飛び出た。

初戦のピヤシリ大会では最長不倒距離の95.5mを記録、2本目に降雪で無風の状態となりテレマークが決まらずに、逆転を許してしまった。さらに落ち着いて飛んだ翌日の吉田杯でも優勝争いに加わり、安定したジャンプを揃え、そのまま2試合連続で2位表彰台に立ち笑顔に包まれた。

「テレマークを決めきれなかったのが悔しいですね。でも開幕の土日で、連続2位表彰台ですから、ものすごく自信になりました。それで明日から、名寄にとどまっての合宿トレーニングで仕上げの調整をしていきます。あの暑かった夏には、今季の目標としてW杯10位以内と掲げていました。今回の結果で、W杯の国枠メンバーに入られると思います。そうですね、すべてここからなのです」

また国体予選を兼ねる北海道選手権が名寄で開かれる。それも積極的に狙っていきたいと、実直な口調での返答があった。

踏み切りの横にあるコーチボックスから、教え子の小林選手に厳しくしかも冷静な分析をする一戸ヘッドコーチが、こう言う。

「夏場に見られた手のバタつきなどの細かなミスがなくなり、ジャンプにまとまりが出てきました、この流れで進んでいきたいですね」

理論派のジャンプ指導者として定評ある一戸コーチは、現在の小林選手をかなり良い流れになってきています、と結んだ。

そのまま好調さを維持して、年明けに開催される札幌と山形蔵王の女子W杯にしっかりと合わせていこうと、入念に調整を続けている小林選手だった。


さあ、これからが本番だ!

欧州遠征の日本女子代表メンバーにピックアップされて、自信を深めた一戸くる実選手はここまで4試合、12月あたまのW杯開幕戦のリレハンメル(NOR)と、続くエンゲルベルク(SUI)に出場した。

リレハンメル①予選で29位に入ったが1本目37位。リレハンメル②予選敗退。

エンゲルベルグ①予選37位で通過したが惜しくも2本目に進めず。エンゲルベルグ②予選敗退。見るからに鍛錬と苦行の連続となった。

そこまでのチームCHINTAI合宿で慣れ親しむロバニエミ(FIN)で、充分にジャンプ本数をこなしての全日本女子チームとの合流であり、当初は緊張の連続であった。

リレハンメルではサッツを合わせられずなどでスキーが立ったジャンプになり、やや辛酸をなめた格好となったが、スイス入りしてからは朝夕のランニングとマシントレーニングを丁寧にこなし、そこでW杯の雰囲気にもなじんで、さあ、これからが本番だ!

W杯をこなすうちに、自分と近い順位や同世代の欧州選手をライバルに見据え、今後のターゲットがはっきりしてくると、いよいよ勝負感の全開となる。

次に迎えるは、いわば女子ジャンプ週間の2試合、伝統あふれる五輪シャンツェのガルミッシュ・パルテンキルヘン(GER)そしてドイツチームの本拠地で南部ドイツの保養地オーベルスドルフ(GER)だ。ここで2本目へと進み、一気にポイント獲得となってくるはず。

何よりもこの欧州ジャンプの本場で良い経験を積み重ねたい。

大きく深呼吸をして気を引き締める一戸くる実選手だった。

文・写真/岩瀬孝文


大会結果

2023年12月16日(土) 第54回名寄ピヤシリジャンプ大会 兼 第61回北海道新聞社杯ジャンプ大会


2023年12月17日(日) 第39回吉田杯ジャンプ大会


2023年12月15日(金) VIESSMANN FIS スキージャンプ 女子ワールドカップ 第3戦 エンゲルベルク大会




2023年12月16日(土) VIESSMANN FIS スキージャンプ 女子ワールドカップ 第4戦 エンゲルベルク大会