CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」
スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートです。是非ご覧ください。
快晴、良い風の中で試合が始まった。
土曜日に予定されていた白馬記録会がシステムの不具合にてキャンセルされ、残念に思うファンの皆さんと選手達だった。
それを早急に修理して迎えた翌日の白馬サマージャンプ大会。
快晴、良い風の中で試合が始まった。
ここまで蔵王サマージャンプで4位入賞するなど好調を維持している小林諭果(CHINTAI)は、1本目、高いサッツからぐいぐいと飛距離を伸ばしていったが、中間部分での風が足りなく100.5mに留まり、無難に着地を決めて4位。
さらに2本目は白馬特有の巻いた風に突っ込み、よもやの83.5mに終わって肩を落とした。
「良い風をもらっていて粘っていましたけど、張り切って荒れた風に突っ込んでしまった印象です。それと踏み切りのタイミングを逃して、これも頑張ろうと思って力んでいたのかな。冷静にみるとスタートゲートの設定が低く(アプローチスピードが遅くなる)、それを克服する、技術がまだ足りていないなと感じました」
これで表彰台をあきらめ、潔く、若手の実力選手宮嶋林湖(松本大)に『おめでとう、立派な3位だから胸を張ってね』と伝え、静かに控え室へと戻っていった。
前回の海外遠征から帰国後は、いくらか体調を崩していたが、今回の遠征後はより良い状態に身体を作り上げて挑みたい白馬全日本選手権(10月21と23日)。
その前に鹿角サマージャンプ大会(10月8日)は、小さ目なジャンプ台で苦手とするが、出場する方向で考えているとした。欧州から帰国して、直後の長距離移動そして試合である。
「欧州サマーグランプリへは、行ってノーマルヒルの試合が直近にあり、そこは苦手意識なく飛べればいいと思います(笑)。さらに大会が続いているので、筋トレの基礎メニューをしっかりとこなしながらそのトレーニング期間を大切に過ごしながら頑張ろうと思います」
この夏後半の海外遠征は、やるべき目標がはっきりとしていた。
この9月14日から10月4日海外遠征に出るサマーグランプリ後半戦、ノーマルヒルから始まりラシノフNH(ルーマニア)とフィラハNH(オーストリア)、プラニツァ(スロべニア)とクリンゲンタール(ドイツ)はラージヒルとなる。
特に終盤のラージヒルではひとけたに入り、FISポイントの獲得といきたい。
そして勢いの波に乗り迎える夏場のファイナル、白馬全日本選手権が開催される。
これは21日(金)にノーマルヒル、22日(土)はラージヒルトレーニング、23日(日)ラージヒルの日程だ。
ここで表彰台に昇ることこそが日本女子代表チームへの道、冬への登竜門となる。それだけ最大の集中力を持ってフルアタックをかける。
白馬サマージャンプ大会では単独で応援に来ていたCHINTAIフラッグの下へ駆けつけ、にこやかにお礼をしながらジャンプを語る意気軒高な小林選手だった。。
秋終盤、万全の調子を持って挑む、その心意気に期待だ。
文・写真/岩瀬孝文
大会結果
2022年9月11日(土)
2022 白馬サマージャンプ大会 4位