FISジャンプワールドカップ女子札幌大会第1戦
2019年1月12日
7th World Cup Competition
Sapporo(JPN)
Large Hill Individual
それぞれの選手が思い切りよく飛ぶ
日本チームであったが、
大柄で長身なルンビ(ノルウェー)や
技術力あるアルトハウス(ドイツ)に
ザイファルト(ドイツ)、ベテラン選手の
イラシュコ=シュトルツ(オーストリア)などが
大挙して出場している海外強豪に勢いがあった。
迎え撃つ日本女子は、
頼みのエースの高梨沙羅(クラレ)に元気がない。
「このところ、うまく飛べなくなってしまって。
いまは助走路の見直しに着手しています」
どうにも迫力に欠ける言葉が続いた。
今シーズンはここまで未勝利のままの高梨だ。
なぜなんだろう、
札幌大倉山ラージヒルシャンツェにおいて
トライアルジャンプの力感に欠ける
ジャンプを観た女子ジャンプファンは、
あれ、おかしいなと首を傾げた。
そこに熱い応援がこだました。
女子ジャンプ応援には絶対の存在になった
総勢30名を超えるエイブル応援団は、
女子ジャンプW杯開催で初めてになる
大倉山シャンツェで、
地元日本チーム選手の全員に大声援を送った。
スタート2番の茂野美咲(CHINTAI)は
やや緊張気味であった。
「応援の皆さんの声は、
スタートまで響いてきていました。
そこで力まずにしっかりと飛ぶことを心がけて、
せいいっぱい飛びました」
そのエイブル応援団のリードによる
『飛べ、飛べ○○』コールは、
ジャンプ台に駆け付けた観客のハートをつかみ、
そこに伝統あるノイズ応援団の太鼓と笛も相まって、
それこそ大声援となって日本選手の向かい風になった。
この日、上位30人が飛ぶことのできる2本目に進んだのは、
高梨、伊藤、勢藤優、丸山、岩渕、岩佐、茂野の7人。
「悪くはないジャンプに思います。
2本目もサッツでちょっぴりずれた感じが
ありましたが、全体をみれば27位で
W杯ポイントを取れましたし、
まずまずのジャンプだったように思います」
と実直に振り返った茂野だった。
優勝したのは、以前から男子のコンチネンタル杯で、
ここ大倉山シャンツェを飛び慣れていたベテラン選手の
ダニエラ・イラシュコ・シュトルツ(オーストリア)、
その大倉山の機微をとらえた見事なジャンプで
圧勝を遂げた。
日本選手は伊藤の6位が最高、
高梨は11位に終わった。
(文/写真 岩瀬孝文)