こんにちは。CHINTAIスキークラブ・スタッフです。
今回は、スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏による「 第52回名寄ピヤシリジャンプ大会兼第59回北海道新聞社杯ジャンプ大会/第37回吉田杯ジャンプ大会」のレポートをお届けします。
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悔しさにじむ開幕戦
極寒のダイヤモンドダストに包まれた北海道名寄ピヤシリシャンツェ。冬の開幕戦となるこの2戦、出場選手は150人にのぼるビッグな大会となった。
初日はそれほど風が強くはなく穏やかな風の中で、そして二日目もちらほらと降雪があったものの弱風でほぼ公平な条件の試合になった。
北海道北部に位置する名寄の寒さは厳しく、選手達もきびきび動き、待機ハウスの中で頻繁に暖を取っていた。
最高のアプローチ姿勢からタイミングがばっちりあった踏み切りと、身体の突っ込みで飛距離を伸ばした茂野美咲。95.5mを記録したジャンプは、着地で尻もちをついてしまい転倒扱いとされた。
「悔しいですね。一日目の5位よりもひとつでも上位に入りたくて狙っていったのですが。とてもいいジャンプができて、さあ着地という時に、ちょっと飛距離が出すぎて怖くなったのかもしれません。あ~悔しい。着地の練習もしっかりとやります」
悔しい思いを口にしながらも、飛距離が出たことには満足の表情だった。
やるべきことは明白
夏場のラージヒルで表彰台に上がり、国内開幕戦の優勝候補筆頭にあった小林諭果は、着地を課題にあげた。
「どうしても着地が決まりません。とくに二日目は大学の後輩が飛びすぎて着地で転倒してしまっていたので、安全策をとり両脚ダブルの安定した着地にしました。でも、やはり飛距離を伸ばして、しっかりとテレマークを入れて、高いポイントをもらわなければ優勝できませんね」
そう苦笑気味に語るが、ジャンプそのものには勢いがあり、空中スピードも充分だったため、2試合ともに3位表彰台となった。
本格的なシーズン開幕を告げる名寄ピヤシリシリーズの2戦。優勝したのは長野の高校生と札幌のノルディック複合の高校生の選手であったが、茂野・小林ともにしっかりと上位に入り、立ち上がりの良さが見てとれた。先に期待を抱かせる好ましいシーズンインを迎えたといえそうだ。
1)12月21日 第52回名寄ピヤシリジャンプ大会兼第59回北海道新聞社杯ジャンプ大会
2)12月22日 第37回吉田杯ジャンプ大会
茂野 1) 6位 1本目 91.0m 2本目 86.5m
2) 5位 1本目 88.5m 2本目 95.5m
小林 1) 3位 1本目 93.5m 2本目 93.0m
2) 3位 1本目 95.0m 2本目 92.5m
文・写真/©岩瀬孝文
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最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「 第64回HBCカップジャンプ競技会」の模様をお送りする予定です。お楽しみに!