CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」

スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートをお届けいたします!

是非ご覧ください。

ホーム大会、エイブルCHINTAIカップ

久しぶりに雲ひとつない快晴により、塩沢石打の空は濃い青色となった。

さらに、この夏は厳しい暑さがまだ続いていた。

選手たちは着地後すぐにジャンプスーツのジッパーを下ろし、パーキングに駐車しているボックスカーや選手の控え所へ戻って涼んでいた。

「まだまだ、道なかばに感じています。ただ、焦ることはない。徐々にいい兆しが見えてくるようになった。それと、言えるのは、ひたむきなハードワークの繰り返し。夏から秋にかけてはそれが大切になる」

元フィンランドチームヘッドコーチで世界的に実績を上げていたヤンネ・バータイネンが小林諭果(CHINTAI)についたプロ指導者で、現場で入念に目を凝らしていた。

そして、おおらかにジャンプを観察して、全体の流れで気になる部分などを分かりやすい英語で伝えていた。

「今日は暑かったです。ジャンプ自体は、そうですね、悪くはなく良くもないというところでしょうか。とにかく、しっかりと練習を積んで11月の全日本選手権(11月2日LH大倉山と9日NH宮の森)に向けて頑張ります」

と自分に言い聞かせるように、集中した眼差しで述べたユカ選手。

第37回の歴史ある大会で、新作となったエイブルCHINTAIのグリーン&ブルーカラービブを丁寧に外して収集かごに入れ、すぐに頭の中で、2本のジャンプを振り返っていた。

サマーとウィンター

しばらくして、この日、石打丸山シャンツェで開催されていたジュニア選手ジャンプ体験会の手伝いに出かけた。

「みんなと一緒にいて、とてもいい刺激になりました」

2本目が終わり表彰式までの間、ランディングバーンにミニヒル(小さなジャンプ台)がふたつ作られて講習会に参加した子供たちが、スキーを履いてジャンプする。

頑張ってねと声をかけ、にこやかにその光景を見つめていたユカ選手だった。

「イベントにきてくれた子供たちがジャンプが面白くなって、続けてもらえるとうれしいです。そこには現在の私たちが忘れかけたようなものがあって、それが参加者からフィードバックできて。あの小さな台で懸命にテレマークを組んでスキーをV字に開いて、着地してと、本当に素晴らしい姿ですね」

ジュニアジャンパーの一挙一動に接して、ひとしきり心に得るものがあったようだ。


サマージャンプ内地4大会は、翌週の9月、新潟妙高高原と長野県白馬シリーズへと進む。

まだまだ、暑い日が続きそうだ。

文・写真/岩瀬孝文

大会結果

■エイブルCHINTAIカップ第37回塩沢ジャンプ大会 66.5m 65.5m 156.0ポイント 13位