CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」
スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートをお届けいたします!
是非ご覧ください。
ひとつひとつ
温泉場として名高い妙高高原には国体を開催できる立派なシャンツェがある。

ここはかつてインカレのジャンプとアルペン、クロカンスキーが長年に渡り行われた由緒あるスキーエリアだった。
そのアルペンのコースサイドにあるジャンプ台は標高が高く、ともすると風が巻き、また雨天になると濃い霧が立ち込めて視界が悪化、中断されることも過去にあり。そのために通常よりも1時間早い午前8時の競技開始。しかも公式トレーニングがなく、いきなりの本番1本目となるのも妙高高原の特徴だ。要するに、気象において風待ちやら霧の晴れ待ちがあって、試合進行に苦慮することがしばしばだった。
それは他のジャンプ台における、公式トレーニングと1本目を終えて『1本勝負』もありだとは思うが、この地の熱心で独特な大会運営のなせる業である。
ときに報道カメラは、ジャンプを外すことができないと安全策をとった無難な撮影になることしばしば、フォトグラファーたちに苦行を強いる?妙高高原でもあった。

清々しい晴天の中、元気よく飛び出した小林諭果(CHINTAI)は69mにランディング。気を取り直して挑んだ2本目にはアプローチ姿勢を固めて、飛距離を72mに伸ばしていった。
「ひとつひとつ技術の見直しを積み重ねて、11月の全日本選手権をターゲットに進めています。今日は巻いた風がというよりも、2本目に手応えがあり、やはり根本的なものとして、より良いジャンプに仕上げていきたいと思います」
表彰式が始まる直前には、早朝からたくさんやってきた観客の皆さんとの交流に、笑顔で写真撮影にあたっていた。

「練習の時には良くても、転戦して形状の違うジャンプ台を回ると、上手く対応できなく元に戻るようなことがあります。ただ、長い目で見ていくと、いまは基礎技術を固める夏のシーズンです。これは冬に雪が降り始めると、必ず成果が出てくることでしょう」
つねに暖かくユカ選手を見守り、がんばっていこうと対話を重視してコミュニケーションを取り続ける茂野美咲プリンシパルだった。
さあ、次の14日は白馬記録会と15日には白馬ジャンプ大会が開催され、内地4シリーズが無事に終了を迎える。
その長野五輪シャンツェで、手応えを得るべく、思い切って飛び抜けよう。
文・写真/岩瀬孝文
大会結果
■ミタカカップ第25回妙高サマージャンプ大会 69m 72m 132.0ポイント 11位




