CHINTAIスキークラブ「ジャンプ通信」

スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏によるスペシャルレポートをお届けいたします!

是非ご覧ください。

自分なりにアレンジを

秋手前、この時期に恒例の白馬ジャンプである。

しかも国内内地シリーズで最終4会場目となった長野白馬ラージヒル2ゲーム。

ここで連休中の9月14日(日)はスペシャルジャンプ記録会、続いて15日(月祝)には2025白馬ジャンプ大会が行われた。

初日の白馬記録会は雨模様に見舞われ、ときおりの激しい降雨で中断を余儀なくされた。それとともに風は微風もしくは無風で、長距離飛行は難しい状況になっていた。

その中でもアプローチでスピードが出ていた小林諭果(CHINTAI)だった。

「滑りは良かったと思います。白馬合宿にきて充分に練習を積むことができて、それで、連続していいジャンプを出せました。ただ、まだタイミングの遅れなどがあって、そのあたりを修正して11月の全日本選手権へと進んでいきたく思います」

記録会では公式練習を2本飛んで、その3本目が記録会。より集中力が増し、颯爽と飛び出して正面方向からの風を受けて110mをマーク。ひとけた第5位に入った。

 「いまは、ヤンネコーチのコーチングに少し自分なりにアレンジを入れてジャンプしています。もちろん基本にはそのヤンネのテクニックがあり、それを念頭におきながらトライを重ね、2本とも良い風を貰えて飛距離に手応えを感じました。それだけにいよいよこれからだと思います。札幌へ戻ってからは、陸トレなどを頑張ろうと思っています」


白馬の風を掴む

2025白馬サマージャンプ大会では、早朝から雨模様で悪条件かなと思われたが、午前中にすっきりと明けて心地よい晴天となった。

ただし、毎回、午前10時頃になると風が不規則になる白馬特有の風が出てきてしまう。

とはいえその風を上手くとらえると抜群の飛距離が得られる。

1本目は113.5mと伸ばし、2本目も風が少なかったが安定したジャンプとテレマークを決めて112.5mと第4位に上昇をみせた。それもあと一歩で3位表彰台であった。

 「だいぶアプローチ姿勢が固まってきて、スピードに乗れるようになってきました。まだいろいろと課題がありますが、腰を据えて、ひとつひとつクリアにしていっているので、この先がとても楽しみです」

試合でユカ選手に付き添う茂野美咲プリンシパルさんが、白馬ラージヒルのコーチボックスに入り、気迫を込めてバッと振り下ろすCHINTAIフラッグ。この合図を観てユカ選手は速やかにゲートからスタートする。

その熱い気持ちに応えてくれた今日の伸びやかなジャンプだ。

2本目には手応えを感じてジャンプ後に、にこやかな笑顔があったのが印象的だった。


春から時間をかけてジャンプを改造、これが良い方向性を帯びてきた。

サマーグランプリへ遠征に出かけているヤンネ・バータイネンコーチから『いまの夏場の時期はとにかくハードワークで頑張りなさい』とのアドバイスを忠実にこなしながら、次へのステップへと道を歩む。

さて、素晴らしいサッツと、そこから的確な風を受ける好ましい空中姿勢でのジャンプ、さらには着地でテレマークをしっかりと決める。そこに魅力的なロングフライトが生まれてくる。

11月2日(日)札幌大倉山全日本選手権ラージヒルは好勝負が見られそうだ。

文・写真/岩瀬孝文

大会結果

■スペシャルジャンプ記録会(1本勝負)  110m 83.4ポイント 5位

■2025白馬サマージャンプ大会  113.5m 112.5m 152.3ポイント 4位