2018年8月25日(土)
NBS杯女子白馬サマージャンプ大会

『風のせいにはしたくない』

白馬ジャンプ競技場(2018年8月25日)

 

前日24日午後に予定されていたラージヒルの
公式トレーニングは台風の余波を受けた強風で
キャンセルになった。

普段は、札幌大倉山ラージヒルを
たくさん飛んでいた女子選手たちにとって、
白馬ラージヒルの新型ジャンプ台は、
ほぼ手さぐりに近いものがあった。
それだけに公式練習の3本はしっかりと飛びたかった。

 

 

この夏の欧州サマーグランプリで
表彰台に立った伊藤有希(土屋ホーム)と、
地元長野出身で白馬シャンツェを飛び慣れている
岩渕香里(北野建設)が、
それぞれ121mの最長不倒を記録して上位をしめた。

そのもの午後3時過ぎに始まった1本目では、
まだ風が安定せず出場した11選手は飛距離を伸ばせずにいた。

 

前日の公式トレーニングは風の影響で中止となった

 

ここまで海外遠征の選考に必要なノーマルヒルに
集中していた長身選手の小林諭果(CHINTAI)は、
得意とするラージヒルとあって張り切っていた。

 

「ラージヒルを飛ぶのは楽しいですね。
 前の日の公式練習を飛べずにいきなりのジャンプで
 不安はありましたけど」(小林)

 

NBS杯白馬女子小林飛型

この日9位だった小林(2018年8月25日)

 

そのまま気持ちを込めて飛び出した1本目は、
逆風にたたかれて80.5mに落とされてしまう。
風向きがころころと変わる、
みるからに不安定な風が吹き抜けていた。

「空中に飛び出てから、風が…と思いましたが、
 その風のせいにはしたくないですね。
 いつでも、どのような場面でもベストのジャンプをする。
 そうしなければなりません」(小林)

気丈な笑顔を見せて、そう言い切った小林だ。

「いいイマージをつかめてきましたから、
 そこで基本に立ち返って、
 明日の塩沢はそうですね、
 気負うことなく楽しんで飛びたいです」(小林)

 

時折強い雨が降る中での試合だった(2018年8月25日)

 

お盆の時期に札幌で行われていた
ジャパン女子チームの合宿では、
日に10本以上ものジャンプトレーニングを重ねて
手応えを感じていた。

 

「白馬では、技術的にいろいろと試したいことがあって、
 考え過ぎたために迷いが出てしまいました。
 なので、もとに戻しました(笑)。
 そのトライ自体は良いことなんですけども」(茂野)

 

この日6位だった茂野(2018NBS杯女子白馬)

 

2本目には難しい風の中で
100.5mを記録して手応えを感じ、
ロシア海外遠征の出発を前に
気を引き締める茂野美咲(CHINTAI)だった。

 

●NBS杯女子白馬サマージャンプ大会

長野白馬ラージヒル
1.伊藤有希(土屋ホーム)
2.岩渕香里(北野建設)
3.岩佐明香(日大)
6.茂野美咲(CHINTAI)
9.小林諭果(CHINTAI)

(文・写真 岩瀬孝文)

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