第61回HBCカップジャンプ競技会

2019年1月14日(月)
北海道札幌市
大倉山ジャンプ競技場

第61回HBCカップジャンプ競技会茂野美咲(2019年1月14日)

 

この土日の緊迫した札幌女子W杯が終了し、
大倉山にはなぜかほっとした柔らかい空気が流れていた。

地下鉄円山公園駅から出発する
シャトルバスに乗ってきたお客さんたちも、
皆さんがのどかな表情で三々五々
ジャンプ台へと上がってきていた。

そして今日も晴天、
じつに気持ちの良い名門ラージヒル大倉山シャンツェだった。

午前中に始まった予選を終えて、
男女ともにその上位8人が本選の準々決勝へと進出するこの大会。

その栄えあるベスト8には、
CHINTAIスキーチームのふたり
茂野美咲と小林諭果が揃っての勝ち上がり。

HBC杯は通常の2本飛んで順位が決められる
大会と異なり、優勝賞金100万円をかけての
トーナメント対決。

それは2人ずつが直接対戦していく
ノックアウト方式により、
試合が進行していくものだった。

ここで茂野と過去にHBC杯で優勝経験がある小林が
上位進出そして表彰台を狙っていた。

予選の結果による準々決勝の組み合わせは以下の通り。

・伊藤有希(土屋ホーム)vs  御家瀬恋(イトイ産業)
・大井栞(早大)vs  小林諭果(CHINTAI)
・丸山希(明大)vs  成田楓(小坂町スキークラブ)
・勢藤理桜(下川商)vs  茂野美咲(CHINTAI)

HBCカップ茂野美咲飛型(2019年1月14日)

優勝候補の伊藤が順当に勝ち上がり、
早大対決で小林に勝利した大井が進出。
大学生の丸山は成田を下し、
高校生の勢藤理に競り勝ちした茂野が準決勝ベスト4へと進んだ。

「早大の後輩に負けるのはとても悔しいのですが、
 今日はしょうがないです(笑)、
 勝ちを譲った格好です。
 来週の蔵王W杯ではしっかりと
 予選通過
していきたいです」

惜しくも敗れて、なお気を引き締める小林だった。

マスコットキャラクターと一緒に茂野を応援する小林(2019年1月14日)

 

「大学生には負けませんよ。頑張ります!」

明るく応え、そこに気迫を込めた茂野。

決勝は実力派の伊藤と新進気鋭の大学生丸山の対決、
その3位決定戦で大井と茂野が対戦することになった。

「絶対に表彰台に上がろうと、
 ほんとうに気合が入りました!」

茂野は抜群の集中力とジャンプの伸びを見せて堂々の3位表彰台に立った。

見事3位となった茂野美咲(2019年1月14日)

それぞれが緊張する1本勝負の対決で、
最後までまったく気を抜けない
シリアスな闘いが続いていった。

勝利したのは女子W杯で上位につけている
伊藤有希(土屋ホーム)だった。

日本のエース高梨沙羅(クラレ)は疲労回復と、
蔵王シャンツェにおける事前トレーニングのために、
この試合は欠場していた。

表彰台で笑顔を見せる丸山、伊藤、茂野(2019年1月14日HBCカップ)

(文/写真 岩瀬孝文)