FISジャンプワールドカップ女子蔵王大会団体戦
2019年1月19日(土)
クラレ蔵王シャンツェ
前年から始まった女子団体戦の覇者、
日本チームは得意の団体戦とあり、
当然のようにここ蔵王での連覇を狙っていた。
ただ、今シーズンは開幕から快調にドイツチームが飛ばしている。
それは先の札幌W杯でひとケタに入った
ドイツ選手を単純計算してみても、
ドイツの優勝が確実視されていた。
「いいメンバーが揃っているので、
優勝しかありません、
積極的に狙っていきますよ」
とドイツチームのリーダーでW杯首位をゆく
アルトハウスは記者会見で豪語し、
それは、そのまま日本チームに重圧をかけることになった。
試合はその通りの結果となった。
あっさりとドイツが勝利し、
強豪国のオーストリアがそれに続いた。
残念なことに日本チームは
3位表彰台に終わっていた。
エースのアルトハウスを中心に好調なザイファルトに五輪金メダリストのフォクトなど、
個性的なロングジャンパーを揃えるドイツは、
蔵王団体戦をものにして世界最強チームという栄誉を手にした。
2位にはダニエラ=イラシュコとホルツル、
ザイフリーズベルガーに気迫を込めるジャンプが魅力のペンキングを擁するオーストリアが盤石なままに入ってきた。
また強者ルンビが軸を成すノルウェーと、
いよいよ安定感が増してきたスロベニアなどの
ライバルチームがひしめきあう、その中で
日本チームは確実に表彰台に昇りたい。
ここにきて急遽、
女子ノーマルヒル団体戦が導入された2月、
ゼーフェルド世界選手権では
なんとしても3位までに入りたい日本チームだ。
蔵王で日本チームはアンカーに
高梨沙羅(クラレ)を据え、
一番手に伊藤有希(土屋ホーム)、
さらに勢藤優花(北海道ハイテクアスリートクラブ)から岩渕香里(北野建設)へと進む、
いわば先行型で最後にしっかりと逃げきる布陣をとった。
「いまは助走路の身体のポジションと
その組み方に工夫を施しています。
そのアプローチを固めたく思います。
昨日の2位でようやく張りつめていた気分が
楽になりました。今日の団体戦の良い結果も、
素直にうれしいです」
連日の表彰台に心が踊ってしまった高梨だった。
仮に地元セカンドチームの出場があるとすれば
経験豊富な茂野に小林と欧州タイプの
長身新鋭ジャンパー御家瀬恋(イトイ産業)、
明るく勢いある高校生の勢藤理桜(下川商)という
魅力あふれる4人のメンバー構成も考えられた。
あるいはこの冬に調子が上がってきている
丸山希(明大)をピックアップすることも可能だ。
着々と選手層を厚くしながら、
実力アップをめざすこれからの日本チームである。
(文/写真 岩瀬孝文)