こんにちは!CHINTAIスキークラブ・スタッフです。

今回は、スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏による「 第93回宮様スキー大会国際競技会(ラージヒル)」のレポートをお届けします。

悲願の優勝

今シーズンも佳境を迎えた。

大倉山は強風の荒れた天候で吹雪に見まわれる予報ではあったが、それは杞憂に終わった。

澄み渡る青空で絶好の晴天、さっぱりするほどのクリアな空気があたりに満ちていた。

女子で出場した14選手はその爽快さを持って、思うままに空中へと飛び出していった。

「やはり、北京五輪のテストジャンパーの経験が生きていると思います。力みもなく自然に良い流れで飛び出せています」

落ち着いた眼差しで、余計な力が入らない柔らかく伸びていくジャンプで 127.5mを記録して1本目首位に立った茂野美咲。

そして緊張の場面で自分を見失うことすらなく、穏やかな表情で2本目を迎えて122m、綺麗にテレマークを決めてついに優勝した。

「お待たせしました。ようやく勝つことができました。あの苦難に満ちた1月はいったい何だったのでしょう(笑)。この勢いで次の伊藤杯ファイナルでも優勝を目指します!」

と意気軒高。それもあの、飛びやすいと言われる北京オリンピックのジャンプ台で、テストジャンパーとして1日に1本をじっくりと考えながら飛ぶことができたからこそ。そこでは不規則な風にあたりながらも無難に着地を決め続けていた。

優勝が決まった瞬間茂野に駆け寄る小林・一戸くるみ選手
茂野 金メダルを胸に晴れやかな笑顔を見せた

得意の大倉山で乗り越えた壁

宮の森ノーマルヒルで飛ぶこと2試合。なかなか勝つことができず、頭の中はその悩みでいっぱいになっていた小林諭果は、迎えた大倉山ラージヒルでその鬱憤を晴らすべく思い切り天空に飛び出し、気持ち良いほどにぐんぐんと飛距離を伸ばしていった。

1本目は茂野と同じ飛距離の127.5m。そして2本目には126mを記録し、これで逆転するかと思われたがこれも勝負の綾、か。なんと1本目のテレマークのポイント差で2位、その差わずかに1.4ポイントだった。

華麗に決めたチームCHINTAIのワンツーフィニッシュ。どちらも勝者と成り得るハイレベルな競り合いを見せてくれた。

さて雪が消えかける次週19日は今シーズンの最終戦、伊藤杯ファイナルジャンプ大会。

またもこのふたりにおいて、雌雄を決する白熱の好試合となりそうだ。

小林 チャームポイントの笑顔が戻った

3月6日「第93回宮様スキー大会国際競技会(ラージヒル)」

 茂野 1位 1本目 110.9P 2本目 98.0P 計 208.9P

 小林 2位 1本目 105.2P 2本目 102.3P 計 207.5P

文・写真/岩瀬孝文

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最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「 第23回伊藤杯シーズンファイナル大倉山ナイタージャンプ大会 」の模様をお送りする予定です。お楽しみに!