こんにちは!CHINTAIスキークラブスタッフです。

今回は、スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏による「 第64回HBCカップジャンプ競技会 」のレポートをお届けします。

新年、好調なスタート

朝方は冷え込んだ札幌・大倉山ジャンプ競技場だったが、試合開始の頃には太陽の照り返しがありしかも順風。選手のみんなが、どこまでも飛んでいけそうな澄んだ青空での大会開始となった。

国内大会で全勝をめざす小林諭果は、得意とする大倉山ラージヒルだけに気持ちよく、そして大きく大空へと飛び出した。

「勝ちにこだわった2本目も、まずは着地をしっかりと決めることを考えていました。年明け初の試合で気持ちよく勝てたので良かったです。続く大会もとことん頑張ります!」

1本目に125.5mを記録し、トップに立って挑んだ2本目。直前に飛んだ高校生に132.5mと飛距離を伸ばされて少し焦ったが、それでもしっかり同じ距離を飛び、2本まとめての完全勝利となった。

「兄(潤志郎選手)と弟(陵侑選手)がオーストリアで行われたW杯団体戦で2位でした。私は札幌で優勝して少しは存在を示すことができたと思います。」

練習で試行錯誤を繰り返すことにより、12月の大会で苦心していた着地も今日は問題なく決め、最高のジャンプをみせた小林。 その集中力と風のつかみ方は素晴らしかった。

また表彰式後には20歳を迎えた末弟の龍尚選手と2ショット写真を撮り、あたりに笑顔を振りまいていた。

小林 優勝トロフィーと共に

どんな時もジャンプを楽しむ

茂野美咲は表彰台に一歩届かず、惜しくも4位に終わった。
1本目は113m。そこでは無風になった影響も見られた。

「2本しっかりと飛ぼうとしましたが、考えていたものより飛距離がちょっと足りなくて。 それは単純に実力不足かもしれませんね。今日は空中で楽に飛べていなかったです。苦しく我慢しながら飛んでいたので。今後はそれがないように、家に帰って冷静に反省します」

着地後にはテレビカメラに笑顔のパフォーマンスを見せてくれた茂野。

本来であればワールドカップが開催されていた先週末。ワールドカップ中止により目標としていた北京オリンピックへの道が閉ざされ、悔しい気持ち・やり場のない感情を抱えていることは想像に難くない。しかしそれでも明るく元気に振る舞う茂野の姿は、女子ジャンプを盛り上げ、元気を与え、そして後輩たちに楽しくジャンプしようとの模範を示してくれていた。

1月はあと4試合開催される予定だ。国内にいる女子選手を牽引する存在の2人。この後の大会も果敢に表彰台を狙っていく。

茂野 着地後カメラパフォーマンスで会場を盛り上げた

1月10日「 第64回HBCカップジャンプ競技会 」

茂野  4位 1本目 121.5m 2本目 113.0m

小林  1位 1本目 132.5m 2本目 125.5m

文・写真/©岩瀬孝文

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最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「 第49回HTBカップスキージャンプ競技大会」の模様をお送りする予定です。お楽しみに!