こんにちは!CHINTAIスキークラブスタッフです。
今回は、スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏による「 第33回TVh杯ジャンプ大会/第63回雪印メグミルク杯ジャンプ大会 」のレポートをお届けします。
勝利への手ごたえ
寒さ厳しい札幌大倉山で今回も2日間試合が行われた。
土曜日は小雪がぱらつき、日曜日は快晴であったが一段と厳しい冷え込みになり、手や足の指に痛みが走る状況までになった。
「大好きな大倉山ですから、いい風もきて飛んでいてとても楽しいです!」
得意としている大倉山ラージヒルにおいて沈着冷静な眼差しで気持ちを入れ込み、安定したジャンプを2本揃えて完全勝利した小林諭果。
日曜日の雪印メグミルク杯は前年から2連覇、そしてこの試合で今シーズンの単独リーダーとなる国内大会4勝目を飾った。
「より遠くへと飛距離を出せていければファンの皆さんにも喜んでもらえたのでしょうけど、とにかく冷静に考えながら、楽しく飛んでいこうとしました」
約1か月にもおよぶ札幌でのホテル生活。熱気あふれた日々のトレーニングに、束の間のオフでも近隣のスキー場に出向き、ジャンプの着地のテレマーク姿勢をもっと完璧にするためにテレマークスキーを入念に行っていた。
「これでようやく東京へ帰ることができます。一呼吸おいて、2月は宮の森ノーマルヒルで雪印カツゲンカップです。そこではいま一度、基本に立ち返り、ていねいに飛んで頑張ってみようと思います」
好調を維持する現在、勝利への手応えは充分にある。ジャンプ技術においてひとつの課題であったテレマークをしっかり決めること。より慎重にそしておおらかに飛んできっちりと着地を決めたいと願った。
自分との闘い
なんとなく元気がないイメージの茂野美咲は、2試合ともに空中の伸びがなく、下でバタンと落ちてしまい着地で飛距離が出なくなっていた。
「ここにきて踏み切りや空中姿勢などにかみ合わなさが出ています。次戦までちょっと期間が空くので頭をクリアにして次の雪印カツゲンカップへ進んでいきます」
と、悔しさと自分のふがいなさに唇をかみしめながら静かに語った。
シーズン中は好調なときもあれば、自分を見つめ直さなければならない時期もある。すべては自己との闘いだ。やみくもに他選手たちと比較してみても何も生まれはしない。
「この勢いと良い風を北京五輪へ出場する兄と弟を届けたいですね。今日は兄の潤志郎が所属する雪印メグミルク杯で、わたしが勝ったので喜んでいるはずです。さらには弟の陵侑もビリンゲンW杯で勝ちました。ふたりとも五輪の現地で勢いの波に乗って躍動してくれると思います」
もとからきょうだい愛に満ち、表彰式後には雪印メグミルク杯のキャラクターを間に小林は末弟の龍尚と仲良く映っていた。とても微笑ましい光景であった。
1月29日「 第33回TVh杯ジャンプ大会 」
茂野 9位 1本目 92.6m 2本目 92.7m
小林 1位 1本目 117.5m 2本目 125.5m
1月30日「 第63回雪印メグミルク杯ジャンプ大会 」
茂野 10位 1本目 90.0m 2本目 90.1m
小林 1位 1本目 113.5m 2本目 124.0m
文・写真/©岩瀬孝文
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最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「 雪印メグミルク カツゲンカップ2022ジャンプ大会」の模様をお送りする予定です。お楽しみに!