こんにちは。CHINTAIスキークラブ・スタッフです。
今回は、スキージャーナリスト・岩瀬孝文氏による「2021全国ジュニアサマーノルディックスキー大会IN鹿角兼全日本スキー連盟A級公認2021鹿角サマージャンプ・コンバインド大会 」のレポートをお届けします。
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『遠征後初の大会は2位表彰台』
秋田県鹿角市。その東側に位置する「花輪スキー場」で開催された「2021鹿角サマージャンプ・コンバインド大会」。ここ花輪スキー場には、アルペンスキーのコースの他クロスカントリースキーコース、そして3つのジャンプ台を備えており、高校生とシニアはミディアムヒルを使用して大会が開催された。
晴天でほぼ無風ではあったが、落ち着いて2本を揃えた茂野美咲は2位に入った。
「ロシアから帰国後、14日間の待機期間があったので、これまで1本も飛べませんでした。待機期間中は故郷の新潟でゆっくり過ごし、母の手作りご飯を食べてリフレッシュに充てました」
ジャンプができなくても焦ることなく遠征疲れの解消と体力の維持に努め、この日に向けて心を整えていた茂野だった。
「これまでのイメージからすると、テイクオフ(踏み切り)から上に飛び出していこうとして、そこで後傾姿勢になり、身体が遅れ気味になっていました。そこで前方向へ進むように修正してみたら、うまくいきました」
手応えのあるテイクオフ、その足の力をアプローチと踏み切りに伝えることに成功。飛距離を伸ばす好ましい結果を生みだした。
「今日はスタート台が高く設定されていて、ハイスピードの試合でした。これが低めに設定されたロースピードでの勝負になったとしてもちゃんと飛び抜けていかなければならないと思っています。今日の結果は“棚からぼた餅”かな」
そう謙遜した茂野だったが、伸びていくジャンプで2位表彰台。そしてロースピード勝負になったときの課題もしっかり認識していた。
『次の大会で必ず結果を出す』
白馬の記録会後、ここ花輪スキー場でトレーニングをしていた小林諭果。ここで絶対に成績を残すのだという意気込みに満ちていた。
ところが思うような風がこなく、バランスを崩し飛距離を伸ばせず1本目は16位。
「一連のジャンプの動きはすごく良かったと思います。ただ、コーチから言われたのは空中で、気持ちが前に出すぎて身体が突っ込んでいたようです。風を上手に捉えてそれに乗っていきたいイメージがあったのですが、ものすごく悔しいですね」
迎えた2本目は「良くもなく悪くもなく、無難なジャンプでした」としんみりと語り、最終的に10位に沈んだ。
「いいジャンプの確率を上げるのが大事だと思います。ジャンプ自体は良くなってきているので数字(順位)を出すことですね」
ふたりとも、この先の全日本選手権がいちばん大事な試合となる。そこで上位に食い込んでアピールしたい。
それぞれがあらたな目標を持って挑む第100回全日本選手権は、10月22日(金)に宮の森でノーマルヒルが、24日(日)は大倉山でラージヒルが行われる。
・試合結果
2位 茂野美咲 1本目 75.5m 2本目77m 計213.3m
10位 小林諭果 1本目 69.5m 2本目76m 計194.4m
文・写真/岩瀬孝文
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最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は「 第100回全日本スキー選手権大会」の模様をお送りする予定です。お楽しみに!