2018年4月7日(土)イベントレポート
2018キッズチャレンジ『春スキーを楽しもう』

 

早朝のエイブル白馬五竜スノーリゾート(長野県北安曇郡白馬村)は、雨が上がり晴れ間が見えた。

長くて快適なゴンドラに乗って
リフトを1本昇った山頂部は、
それこそきれいな雪山の背景になっていた。

これほどの素晴らしいロケーションはこの時期、
春スキーに最高なシーンを生み出してくれることになった。

ジャンプ五輪金メダリストの
船木和喜選手(FITスキー)と
デモンストレータでスキー指導と育成に
力を注いでいる井山敬介さんの
2人をゲストに迎えたイベント。
そこにCHINTAIスキークラブの茂野美咲選手と
小林諭果選手がしっかりとサポートしていた。

それも会場の設営から飾りつけ、
ふるまい汁の盛り付けと生クリームドーナツの販売、
キッズのお世話と笑顔での対応とコーチング、
午後になるとパネラーとしてトークショーに参加して、
スキーファンの皆さんを前にはきはきと応えていた。

 

イベント前に笑顔をみせる茂野、小林

 

「シーズン中と違ってこういうイベントは楽しいです。
 参加してくれた子供たちも可愛くて、
  なにかと構いたくなってしまいました」(茂野)

スポーツに理解ある旦那さんと
結婚してすぐの茂野選手は、
五竜のゲレンデでバランスよくスキーをあやつり、
にこやかな表情をみせていた。

 

子供と笑顔でリフトに乗る小林

 

「いつもはジャンプ台でシリアスな表情に
 なっているのですが、
 いまはシーズンオフなので、
 わりと余裕を持って滑ることができました」(小林)

ジャンプ選手として、つねに集中する状況にあり
神経をとぎすませていた小林選手は、
春の柔らかくなった雪ながらも、
子供たちを見守るように滑っていた。

 

子供達と滑る井山敬介デモ

午前中は朝9時開始、
キッズスキーで子供たち30名近くを
上級レベルとベーシックレベルにグループ分けして、
リフトとゴンドラを使い
上から下まで積極的にスキーイング。

「久々なんですよ、アルペンスキーは。
 それも子供たちの後ろを滑っていると、
 その楽しそうな雰囲気が垣間みえて、
 こちらも楽しくてニコニコしてしまいますものね」
(船木和喜選手)

実際、スキーセンスがある船木選手は
きれいな連続ターンを決めて、
そばを滑っていた一般スキーヤーから
『船木さん上手い、すごい!』と言われていた。

カメラに向かって笑顔で手を振る船木選手

 

 

ランチタイムにはエイブルのふるまい汁が大好評、
これは豆腐やゴボウ入りの醤油味。それで暖まり
船木さんの美味しいドーナツをほおばって
その美味しさに驚いてなど終始リラックス。

そして午後1時からトークショーが開始された。

 

トークショーでメダルの重さを確認する子供達

そこでは井山デモのリードも軽やかにクイズを織り込みながらで盛り上がりをみせた。

船木選手は
白馬の小学生ジャンプ選手からの質問に応えて
『なんちゃってテレマーク
(正確さにかけた着地姿勢)でも

 点数が出ることはあるけど
 基本はしっかりと身につけようね』
との教えをていねいに伝えた。

トークショーで船木選手に質問をする子供達

 

また大人の船木ファンの皆さんが大勢、
近隣から駆け付けて船木さんのトークに
楽しそうにうなずき、さらにゲレンデで
滑っていた一般のスキーヤーも交えて
約100名が熱心に聞き入っていた。

会場入りしてから幾度もヘルメットへのサインや
記念撮影に握手などで
子供たちや親御さんに囲まれていた船木選手。
皆さんには長野五輪の金メダルが回されて、
『王様の工房』アップルパイがお土産に。

北海道余市町の特別なリンゴで作られたパイは
自然な甘みがあるねとまた笑顔に包まれて。

なお今回、完売となった生クリームドーナツの収益は、
これからのキッズスキーヤーのために寄付された。

 

記念撮影のお願いに笑顔で答える船木選手

 

「こういう形で子供たちを触れあえるのは
 貴重だと思います。
 このなかから、もっと頑張ってスキーをやりたい、
 選手を続けたい、という気持ちに
 なってくれるとうれしいですね」(船木和喜選手)

一緒に記念写真に写りながら、そう船木選手は言う。

初回となったエイブルスキーイベントは
これまでにない内容で大成功だった。

しかも次へのさまざまなアイディアが生まれて、
拡大の一途のイベントというオリジナリティあふれる
スキーの育成と普及活動となった。

茂野選手と小林選手は、
子供たちと一緒に滑りながらスキーをする
楽しさを感じ、さらにはスキーのセンターに乗る
重要性とスキーの操作性を白馬五竜で再確認。
『ストック(ポール)は普段持たないので、
 つき方がわからない』と最初は少し戸惑いながらも、
後半には加速して鋭いターンで滑り降りていた。

筋力トレーニングにテクニックの向上など、
それぞれに課題を持ち来季につなげようと
努力しているふたりだ。

この春スキーの時期、心身の安らぎとともに
新たなジャンプシーズンに向けて熱い思いとやる気に満ち、英気にあふれていた。

Enjoy Skiに参加した子供達全員との記念撮影

 

 

 

(文・写真 岩瀬孝文)