こんにちはCHINTAIスキークラブ
スキージャンプ選手の小林諭果です。

小林陵侑選手が3月10日に
ワールドカップシリーズ5戦を残し、
ワールドカップ総合優勝を決めましたね!

3月24日に行われた最終戦では、
1本目にHS(ヒルサイズ)240mを大きく超える
252mのヒルレコードを出し13勝目をあげ
シーズンを締めくくりました!
姉としてもうれしい限りです…!

ところで、スキージャンプ競技を観ていると、
K点やヒルサイズといった言葉を
よく耳にしませんか?
そもそもK点やヒルサイズってなんだ?という皆さんの疑問や、
ジャンプを観るときに役立つ豆知識と注目して欲しいポイントを私がご紹介します

K点とヒルサイズ(HS)テレマークについて解説

K点とは「建築基準点(Konstruktionspunkt)」のことである!

K点とは、スキージャンプの飛距離での
得点に関する基準点の位置を表しています。
ジャンプ台の下のほうに引かれている
赤い線がK点です。

このK点(基準点)に着地すると60点がもらえて、
さらにK点をどの位超えたか、または足りなかったかで
飛距離点として加点減点されていく仕組みです。

ジャンプ台の規模を示す際にも使用されます。
(例えば、大倉山はK=120m)
ジャンプ台によって大きさが異なりますが
ノーマルヒルでは90m、ラージヒルでは120m、
フライングヒルでは185mと上限が決められています。

以前はk点のkは、ドイツ語で「Kritischer Punkt」を指すものでした。
これは「臨界点、極限点」などと訳されます。

つまり、これ以上飛ぶと危険ですよという印を示すものがK点だったのですが、
2004年から現在は、「Konstruktionspunkt(建築基準点)」の意味に変わってきています。

ヒルサイズ(HS:Hill Size)とは安全に着地できる地点

踏み切りの先端からランディングエリア限界点(L点:安全に着地できる地点)までの距離のことを表します。
ヒルサイズはK点よりも遠くに設定されていて、
選手がこの距離を越える飛行をすると着地点の斜度が浅くなり危険を伴うことから競技の続行について審議されることがあります。

K点が同じジャンプ台であっても、
ジャンプ台の構造によりヒルサイズは異なります。

例えば、オリンピックが開催された
大倉山ジャンプ台と白馬ジャンプ台のK点はどちらも120mですが、
ヒルサイズは大倉山が=134m、白馬が131mです。

K点と併用し2004年から採用されました。

テレマークは着地姿勢で飛型点に重要なポイント!

着地の際に両手を左右に平行に広げ
両脚を前後にずらし膝を曲げ着地する
姿勢のことをテレマークと言います。

テレマークはジャンプ競技の中での得点、飛型点としても算出され、
テレマークポジションが取れなかった場合
最低でも2ポイント減点されます。

飛型点の採点は5人の飛型審判員が
20点満点から0.5点単位での減点法で採点をします。
公平性を保つ為に一番高い得点と一番低い得点を除いた
3名の得点を合計した点数になります。(最大60点)

 

スキージャンプのここをみて!

ワールドカップで現れる緑色のバーチャルライン(to-beat line)

現在のワールドカップではこの線を越えればTOPに立てるよという
バーチャルライン(to-beat line)が導入されており
が選手にも観客にもみれる緑色の線がライトによって
ジャンプ台上に表示されている。

またワールドカップではウィンドファクターや
ゲートファクターなどの細かいルールがあり、
飛距離や飛型点だけでは順位が決まらない難しさと面白さがあります。

是非ジャンプをもっと知ってジャンプオタクになってください!
「ウィンドファクター」や「ゲートファクター」については記事にてご紹介したいと思っていますのでご期待ください!

スピード、高さ、美しさ!

助走スピードは時速90kmにもなります。
一瞬で終わってしまうジャンプ競技ですが、
選手はその一瞬のために日々トレーニングを重ねています。
ジャンプ競技の魅力はなんと言っても空中。
高さ・美しさを観て欲しいです。

うまい選手は高さが違います。
空中姿勢は選手によって違うので、
是非好きな選手の特徴を覚えてください。

屋外競技ならではの面白さ

スキージャンプ競技は屋外で行われる競技です。 そのため、自然条件に左右される競技でもあります。 天候、風、いろんな条件が重なり 誰が勝つかわからない面白さもあります。 そんな緊張感を是非会場で体感していただきたいです。

競技用語やルールを知ってもっとスキージャンプを好きになろう

SNS用雪印杯茂野小林2019iwase

 

今回ご紹介した競技の専門用語やルール、
理解できればスキージャンプを観戦が
もっと楽しくなるのではないでしょうか?

是非豆知識としてスキージャンプを知らない人にも
披露してくださいね!
次のシーズンも楽しみになってきたのではないでしょうか??

冬まで待ちきれないぞという方は
サマーシーズンも試合開催されますので
是非ジャンプ台へ脚を運んでください!
そしてジャンプの魅力、迫力を生で体感してください。

また、試合の行われない日には
リフトでジャンプ台に上ることが出来るジャンプ台もあります!
是非選手の目線にたってスキージャンプ競技を
体感、もっと好きになってくださいね!

リフトでジャンプ台に上がれる競技場一例

▼大倉山ジャンプ競技場(札幌大倉山展望台)

 

 

▼白馬ジャンプ競技場

お時間ある際は是非ジャンプ台へ
あしを運んでみてください。

運がよければ実際に選手の
トレーニングする姿が見られるかも!!!!

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