2018年2月24日(土)

第29回Tvh杯ジャンプ大会

「好調な茂野美咲3位表彰台に!」

 

3週間ぶりとなる国内戦で見事3位となった茂野選手

 

 

五輪に応援に行って、日本選手のジャンプを応援しながらも、
そこで出場できなかった無念さをにじませていた茂野美咲(CHINTAI)が、
いよいよそれをバネにして突き抜けたジャンプを見せた。

 

「ほんとうは悔しかったのですが、そのあとの試合を頑張ろうと思って、
トレーニングに気持ちが入りました」(茂野)

 

茂野は飛び出しが合って、113mを記録して
勢藤優花(北海道ハイテクAC)と2位同着で2本目へ進んだ。

 

1本目の首位は高いジャンプで132mを飛んだ伊藤有希(土屋ホーム)だった。

 

風はほどよい順風、茂野は一気に表彰台を確実にするジャンプを願う。
それも試合中はとても落ち着いていた。

 

「サッツ(1)で腰が残らずに、すっと出ていけたのです。
それで早く空中姿勢に移行できて。
それがやれたことがうれしいですね。これはトレーニングの賜物です。
明日の試合も狙っていきます」(茂野)

 

にこやかに頑張りを伝えてきた。

 

 

アプローチ(2)からスピードに乗った空中姿勢は、
上体がブロックされ伸びていき、着地でテレマークをしっかりと決めた。

 

それで2本目も114mと2本揃えて堂々の3位表彰台となった。

 

大倉山の空を舞う茂野選手

 

 

注目の長身選手小林諭果(CHINTAI)は、1本目に風が当たらなかったのと、
サッツ(1)のほんの遅れが見られて失速して104m。
そこから奮起した2本目も下の風がなく103m、トータルで6位に終わった。

 

 

Tvh杯で6位となった小林選手のジャンプ

 

「今日は納得できない結果ですね。テクニックが良くなくて。
サッツ(1)でタイミングの遅れが出ています」(小林)

 

とうつむいたが、すぐに五輪へ応援に出かけたことを語った。

 

「久しぶりのジャンプでしたが、オリンピックに応援に行って良い刺激を貰いました。
それで、いま、ジャンプするのがとても楽しく感じています」(小林)

 

懸命なまでに飛んでやろうという気持ちが、さらに湧き上がってきた。

「HBC杯では決勝に残りたいです。
ディフェンディングチャンピオン、そうでしたね。
強い選手がたくさんいますけど頑張ります!」(小林)

 

 

代表選手を応援に五輪会場へ行ったことが、ふたりにとって良い刺激になり、
いまの猛烈なまでのやる気につながっていた。
明日のマッチレース、優勝賞金100万円のHBC杯の勇躍が期待される。

 

 

Tvh杯の優勝は2本目に最長不倒距離140mを飛んだ伊藤有希、
2位には116.5mの勢藤優花が入った。

 

表彰式で笑顔をみせる茂野選手

 

(文・写真 岩瀬孝文)

 

第29回Tvh杯ジャンプ大会 公式リザルトは こちら

 

注)
¹サッツ : ジャンプ直前の踏み切り動作。英語では「take off」
²アプローチ : ジャンプ台のスタートゲートからカンテ(ジャンプ台先端の踏み切り)の部分までの助走路のこと