山形蔵王W杯の個人2戦目は
新雪が降りしきりトライアルは中止になり、エントリーした50名が1本目へ。
しかもそれも降雪で途中中断。地元スタッフの懸命な除雪作業が実り、2本の試合が成立した。
好調なスロベニアチームとロシア勢が果敢に飛ばし、主力の欠場をみたドイツとオーストリアはやや不完全燃焼。そこへ日本女子が地元の慣れ親しんだ蔵王シャンツェでの上昇をめざして飛んだ。
出場した日本選手は6人全員が2本目へと進んで見事にポイントを獲得した。
日本チームは、山形蔵王に売店を出店していた船木和喜コーチによる、的確な指導が生きた勢藤優花(北海道ハイテクAC)がうれしい6位入り。岩渕香里(北野建設)は2本目に失速して10位、伸びやかに飛んだ茂野美咲(CHINTAI)は1本目16位からトータルで23位につけ、学生ジャンパーの岩佐明香(日大)は26位だった。
日本2トップの伊藤有希(土屋ホーム)は、パワフルなジャンプで2位表彰台に昇り、3位に高梨沙羅(クラレ)。その差はわずか0.7ポイントだった。
蔵王で連勝したルンビ(ノルウェー)は2本目に最長不倒の101mを飛び、2位の伊藤に30ポイントもの大差をつけていた。
「まだまだ向上できます」と絶好調のルンビはそう言い切る。
この差をどのようにして埋めていくか、それが日本勢の今後の大きな課題となる。
いわばこれまでの高梨のひとり勝ちの時代は終えた、との見解もある。
いよいよレベルが拮抗してきた女子ジャンプだ、それも切磋琢磨の上にある見応えある競技になってきた。
そこで真の勝利をつかんでいきたい日本女子チームだ。
(文・写真 岩瀬孝文)