2018年3月9日(金) 宮様大会ノーマルヒル

『茂野2位、小林は5位に終わる』

 

 

この宮様大会とはジャンプ、ノルディック複合、クロスカントリースキー、
バイアスロンなどを同じ時期に行なう89回の歴史を誇る名門の大会だ。

 

どんよりとした曇り空にときおりの降雨で、
ランディングバーン(着地面)の雪は柔らかくなりがちだった。

そこで選手たちはしっかりとテレマークを決めなければならなかった。

 

2月後半から好調で鋭いジャンプを見せていた小林諭果(CHINTAI)は風邪気味にあり、
いくらか頭がぼーっとしていた。

 

「このところ身体に疲れがあって、試合前のウォーミングアップのときから、
 あまり追い込まないようにと静かにしていました」(小林)

 

その1本目は87mで2位につけた。

そこで首位に立っていたノルディック複合も手がける丸山希(明大)を逆転しようとしたが、
2本目でサッツ(踏み切り)のタイミングが遅れて81mと失速。
その結果5位に終わり少しだけ頭を抱えた。

 

「実際に本調子ではないとはいえ、今日の結果に関しては、
 どうしてこうなったか落ち着いて考えてみたいです」(小林)

 

と、素直に反省の弁を述べた。

競技役員に使用したビブを返し笑顔をみせる小林

 

 

ここにきてテクニック向上がみられた茂野美咲(CHINTAI)は、
1本目に87.5mを飛びながら着地が乱れてポイントロスの5位。

そこから奮起をみせて2本目に91mを記録して勇躍2位に浮上した。

 

この日2位となった茂野のジャンプ(宮の森ジャンプ競技場)

 

どうしても勝ちたいと思って、知らないうちに力んでしまったのかもですね。
 国内は全勝でいくと決めていましたから。
 気持ちを切り替えて明後日のラージヒルにかけていきます」(茂野)

 

1本目に着地でバランスを崩す茂野

 

 

タイトルが欲しいという切なる思い、それが前面に出た印象なのであろうか。

 

準優勝に終わって笑顔ひとつなかった茂野は、
すぐに大倉山の宮様大会ラージヒルに集中していった。

 

「今シーズンを最後にライズJCで後輩の竹田歩佳(デンソー)が引退してしまうんです。
 同世代でともに頑張ってきた選手がやめてしまうというのは、かなりさみしくて。
 以前から私をとても慕ってくれていましたから」(茂野)

 

そういう後進の女子選手たちがジャンプにかけるひたむきな想いを背負いながら、
懸命に飛び続ける女子リーダー格の茂野だった。

 

次戦へ戦意を燃やす茂野