無風に近い山形蔵王。
夕暮れとともに冷え込みが厳しく、指先が痛み出すくらい。
ランディングバーンに沿って横に長く広がった観客は、
CHINTAI&エイブル応援団の掛け声にリードされて日本選手に最大の声援を送っていた。
100m台を2本揃えて圧勝したルンビ(ノルウェー)は、これまでの力まかせの飛びから、
流れていくような技術をミックスさせた高いフライトで、ビッグジャンプを連発させていた。
さらに新進気鋭ホルツル(オーストリア)は山形蔵王のシャンツェと相性がよく、鋭く弾丸のような突っ込みで飛距離を伸ばしてきていた。
日本勢はそこでどのように対応していけば良いのだろう。
高梨4位に伊藤有希(土屋ホーム)が5位。
長身でアプローチスピードが出る勢藤優花(北海道ハイテクAC)がひとケタ8位に入ってきた。
サッツ後に横風にあおられてしまった小林諭果(CHINTAI)は残念な予選落ちだったが、
茂野美咲(CHINTAI)が集中力抜群のジャンプで21位になった。
それらが救いでもあるが、表彰式に地元日本の選手がいないという、
静かな表彰台を見つめることになった。
気を取り直して、山形蔵王個人2戦目と行こう。
頑張ろう、ジャパン女子。
(文・写真 岩瀬孝文)