連日表彰台の小林諭果
2018年12月16日
第34回名寄吉田杯ジャンプ大会
早朝から降雪に見舞われて
トライアルジャンプは中止。
いきなりの1本目開始となった。
風も選手によっては完全に逆風になる、
運に左右される状況が続いた。
前日は3位に終わったことから、
ここで緊張してはならないと
高校生の勢藤理桜(下川商)が
1本目に85mと他を圧倒して
飛距離を伸ばしてた。
連勝を狙った小林諭果(CHINTAI)は
74.5mで3位につけたが、
そこに10m余りもの飛距離があり。
もはや、勝つためには差がつき過ぎた。
「こういうときの雪は
言いわけにならないんです。
条件はみんな一緒、その中でいかにして
遠くへ飛んでいけるかなんです。
助走路が雪で滑らなくなるのもそうです。
そのあたり微妙に身体を前後させて
調整しながら滑るアプローチが大事です」
2本目には小林は気持ちを込めて、
この試合ただひとりの90m超え、
最長不倒賞になった91.5mをたたきだして
2位表彰台に昇った。
ジャンプの酸いも甘いも知る
ベテラン選手茂野美咲(CHINTAI)が
勇躍をみせようとした。
しかし、気迫でアタックした1本目は
完全に後ろからの風にあたり、
なんと64.5mで落とされてしまう不運。
そこは気持ちを取り直して2本目には
4位タイとなる83.5mを記録した茂野。
いくらか納得はしたが9位という成績に
ひとしきりもどかしさが残った。
「バックから吹いてくる風に
対応ができなくて、
かなりの課題だと思います。
2本目はより飛んでいけたような気がして。
そのあたりフィンランドで雪上の
ジャンプ本数をこなしてきていただけに、
もっと飛距離が欲しかったですね」
静かながらに、そう語った。
11月後半のフィンランド雪上合宿を経て、
現地のコーチからベーシックな技術の
アドバイスを受けて、
それを保有するテクニックにミックスし
て飛ぶこと70~80本である。
そこに確かに上位進出、
代表入りの息吹が感じられてきた。
女子ジャンプで世界をめざす精鋭ふたりは、
雪が深い北海道名寄で女子チーム合宿に突入していった。
(文/写真 岩瀬孝文)